Re: 社会福祉法人 存在する意味があるか? |
投稿者: 名無しさん 投稿日時: 2016/12/21 16:00 何かが違う?社会福祉法人 この特別養護老人ホーム・ケアハウスなどの福祉施設の問題は、 老人福祉を担う社会福祉法人がどうあるべきかという 問題にもつながります。 株式会社の役割は利益を挙げることだけではありませんが、 利益にならない事業は継続することができません。 最近は企業の社会貢献が叫ばれるようになっていますが、それは企業のイメージアップという側面が強いものです。 株式会社の場合、経営者が利益にならない方針を取ることは、 資金提供をしてもらっている株主への背信行為となります。 しかし、利益を見込むことができない事業でも、 社会の中で必要なサービス・事業はあります。 行政サービスや公益性・公共性の高い事業です。 その中で、社会的弱者に対する福祉施策を推進するために 設立されたのが社会福祉法人です。 公益性の高い非営利の事業ですから、特別養護老人ホームなどの福祉施設の開設には、 多額の補助金が支出されており、法人税や固定資産税は非課税とされています。 勘違いしている人が多いのですが、特別養護老人ホームが介護を目的とした施設ではないように、 社会福祉法人は介護サービスを提供する法人として設立されたのではありません。 「高齢者介護」は介護保険制度によって社会化されてきましたが、 それだけですべての高齢者が安心・快適に生活できるわけではありません。 介護虐待や高齢者の生活破綻など、介護保険制度や民間の介護サービス事業者では対応できない 福祉的な視点が必要な難しいケースに対応するのが社会福祉法人の役割です。 社会福祉法人は、地域のすべての高齢者の福祉向上、最低限の生活すら維持できない社会的弱者のために、 行政の福祉施策を代行するその地域の共有財産なのです。 しかし、現実を見ると、社会福祉法人はその設立理念とは大きく離れています。 介護保険制度の発足によって、運営形態はそれまでの措置制度から、 介護保険制度による介護サービス利用へと大きく変化しました。 そのため、社会福祉法人でも「運営から経営へ」という言葉が飛び交い、 高い利益を上げることのみに注力している法人も増えています。 中には、親族経営のトンネル会社を作って物品購入をさせたり、 営利目的で有料老人ホーム・サービス付き高齢者住宅などを経営する事業者も増えています。 この歪は、ますます拡大しつつある様に思われます。 |