Re: 2018年 和歌山市長選挙 |
投稿者: 名無しさん 投稿日時: 2018/7/19 15:06 もう手遅れや! 就職先確保 定着への鍵 2018年7月19日14時25分 中 大学誘致 「中核市の規模を保てるんやろか……」。和歌山市の職員は、国勢調査の結果を前に不安な表情を浮かべる。高度成長期に人口が増え、1979年には40万人を超えた。その後は減少が続き、現在は約36万人。このままのペースでは、2060年には約21万人まで縮小するとの試算もある。 人口減少の要因の一つが、若者の県外流出だ。12〜15年のデータをみると市から県外への転出者は10代後半〜20代に集中。県によると、県外の大学への進学率は30年連続で全国1位となった。 こうした状況を打破しようと、市は中心市街地への大学誘致を推進。4月には、看護師などを養成する東京医療保健大和歌山看護学部が開学。入学者104人のうち100人が県内出身者で、市政策調整課の担当者は「若者の流出抑制に確かな成果があらわれた」と胸を張る。 さらに来春には、初等教育分野の人材育成に特化した和歌山信愛大教育学部(仮称)、21年には薬剤師を育てる県立医科大薬学部が開学を予定。3大学で全学年計約1300人がそろえば、消費などで毎年約29億円の経済効果があると見込む。 東京医療保健大と和歌山信愛大は、少子化のため統合された旧小学校校舎を活用。初期投資額を抑制する工夫を凝らした。2校の総事業費は計約9億円で、約3分の1は市が実質的に負担する。 和歌山市に限らず、人口減に悩む地方自治体は大学誘致に力を入れている。ただ、中には誘致した大学がなくなるケースもある。16年、東京理科大は埼玉県久喜市にあった経営学部を全面撤退した。久喜市は約30億円の補助金を支出するなど手厚くサポートしたが、学生募集が計画通り進まないことが響いた。三重県松阪市などが誘致した三重中京大は、学生の7割が県内出身者だったが赤字が続き、13年に閉校となった。 誘致した大学の撤退リスクについて、和歌山市の尾花正啓市長は「これから地域が必要とする人材を地域で輩出できる。まったく心配していない」と自信をのぞかせる。 市によると、県外の大学卒業後に県内に戻ってくる若者は、3割程度。地元に就職の選択肢が少ないことが背景にある。誘致した大学の学生が卒業後、どれだけ県内にとどまってくれるかは不透明だ。 問題解決のヒントは、地域社会との緊密な連携にある。長野県松本市の松本大は、地元の商店街再生に学生が10年以上携わるなど、地域に出て課題を見つけ解決策を考える学びが評価され、例年定員を満たす。卒業者の8割以上が県内で就職している。 和歌山市の幹部は「企業誘致や産学官の連携などを通じて、県内で様々な就職先を確保しなければ」と話し、学生たちを引き留めるための知恵を絞る。 (関宏美) https://www.asahi.com/articles/CMTW1807193100001.html |