Re: 仁坂新知事誕生 県議会と心地よい緊張関係を |
投稿者: 和ネット 投稿日時: 2006/12/18 11:23 官製談合に伴う前知事の辞職による出直し知事選は17日、投開票が行われ、自民、公明推薦の元経済産業省局次長仁坂吉伸氏(56)が、共産推薦の市民団体代表世話人泉敏孝氏(69)を破り、新知事の座についた。気づいた点を書く。投票率は35・21%で、過去の知事選で最低の前回37・29%をさらに2・08ポイントも下回った。新聞報道では、低投票率は、民主党が独自候補を擁立しなかったため、有権者の関心が低かったとしているが、民主党は過去の知事選で独自候補を擁立した例はない。低投票率は、民主の不出馬が特に原因ではないと思える。改革派知事に裏切られた県民の多数が、民主に独自候補の擁立を求めたものの、民主内の内紛に加え、無抵抗の自主投票に転じたことへのシラケムードと、政治不信。仁坂氏の勝利は戦わずしてわかりきったため興味を失ったのだろう。ただ、民主が独自候補を擁立すれば、選択肢も増え、かなり投票率をかさ上げできたことは間違いない。低投票率のためか、当選の仁坂氏は県有権者(85万4628人)の2割の支持しか得ない結果となった。過去最低の支持率で、この方が今後の県政運営上、気がかりだ。仁坂氏に反して、泉氏は投票者の約3割の支持を得た。過去の知事選では、共産擁立候補で、最大の得票数となった。読売の投票所での出口調査では、民主支持層の63%が泉氏に流れたとしている。泉氏得票の中身も、多くは単なる不満票に過ぎないのではないか。 知事選の争点は、泉氏が談合追放を訴えたが、仁坂氏は「談合を許さないシステムづくり」を強調し、もっぱら県経済の建て直しや雇用の創出を訴え、対決軸は明確ではなかった。仁坂氏の「談合を許さぬシステムづくり」の具体的な内容は不明だ。三重県は、知事の関与疑惑の官製談合が相次いでいることから、知事、副知事、出納長が指名や、入札などの口利きをした場合、職員は、その内容を公文書に記録して情報公開する方針を決めた。仁坂氏は三重県に見習ってほしい。 仁坂氏は当選から一夜明け、心新たに県政への思いをかみ締めていることだろう。知事と県議会の関係も「べったり」ではなく、前向きにひた走る「心地よい緊張関係」を続けてほしいものだ。 |