Re: どうなる?和歌山県 国体終了後の未来像? |
投稿者: 名無しさん 投稿日時: 2016/5/5 20:31:16 検証・ポスト国体 現場からの報告/下 高速整備 交通激変で素通り懸念 「寄り道」招く魅力PR /和歌山 毎日新聞2016年5月5日 地方版 穏やかな春の陽気に包まれた3月20日、すさみ町の紀勢道すさみ南インターチェンジ(IC)に近い国道42号には、「道の駅すさみ」の駐車場に入りきれない車の長い列ができていた。敷地内に臨時の飲食ブースがたくさん並び、地元の食材を使ったすしやカレー、飲み物などを買い求める人でにぎわった。 町観光協会が、国道42号活性化のために初めて開いた「ぼん・マルシェSUSAMI」。道の駅から町の中心部まで国道を北上して景観など地域の魅力を知ってもらうのが狙いだ。沿道では他の2会場でもイベントを同時開催し、国道を往復する無料バスも走らせた。町観光協会事務局長の楠本明治さん(48)は「すさみ町に来たら何か面白いことをやっていると感じてもらいたかった」と話す。 国道とその沿道をアピールする背景には、交通インフラの整備に対して町や観光業界が抱く危機感がある。 県全域で競技や行事が実施される和歌山国体の開幕に合わせ、県内では高速道路や幹線道路が次々と整備された。県南沿岸部を通る紀勢道も、昨年7月に南紀白浜ICまで、8月にはすさみ南ICまで開通した。 高速道路の延伸は、目的地までの所要時間を大幅に短縮できるなどのメリットがある。一方、田辺市以南が通行料無料ということもあり、周辺道路の車の流れを大きく変えることになった。 これまで田辺市から串本方面へは国道経由で向かっていた車のほとんどが、すさみ南ICまで高速道路を利用するようになった。国土交通省の調査によると、白浜町−同町日置川間の休日の交通量は開通後、約7000台から約1500台へと約8割も落ち込んだ。 この影響ですさみ町内のすさみIC以北では、今年1月に国道沿いの飲食店と物販店が相次いで閉店した。現在のところ、県内の紀勢道はすさみ南ICが終点だが、将来は串本を経由して新宮市まで延伸する計画だ。開通すれば、町はただ通過されるだけになってしまうのではないか−−。 こうした状況を何とか改善しようと実施されたのがマルシェだった。さらに、地元の若者らも今年1月、国道沿いの別の道の駅で手作り雑貨の販売などのブースを出すイベントを実施。今月15日には第2弾も開く予定だ。 「すさみ南IC付近は観光客が増えているが、終点でなくなるまでにいろんな仕掛けを作りたい」と楠本さん。「だから、『行きか帰りのどっちかは国道を通って枯木灘の絶景を見ませんか』って宣伝してるんです」 国体開催に伴う高速道路の整備で大きく変化した車の流れ。それをどう地域の活性化に結びつけるか、難題に挑む沿道自治体や住民たちの奮闘の行方が注目される。【阿部弘賢】 http://mainichi.jp/articles/20160505/ddl/k30/050/226000c |