| 県議会の議員定数増減を審査へ 平成の合併で選挙区様がわり 二月議会 |
投稿者： 和ネット 投稿日時： 2006/2/13 12:49:16 和歌山県議会の二月定例議会は、二月二十二日開会の予定で、会期中、来年四月に行われる統一地方選の県議定数条例を改正する。昨年十月一日現在の国勢調査に基づく県人口増減に基づく改正で、県人口は前回調査より三万三千八百五十一人減の百三万六千六十一人。地方自治法に基づく県議定数による定数減を免れ、現行通りの四十六人となる。しかし、近畿六府県で議員定数減をしていないのは和歌山県だけ。県内市町村議会は全て定数減を実施済みで、厳しい行革の動きに県議定数減が焦点になりそうだ。また、県内の市町村は、「平成の大同合併」(今年三月一日現在)で大きく様変わりしており、市郡ごとの議員定数もかなり変化する。県議会は議長諮問機関の「議員定数検討委員会」(町田亘会長ら十三人)を設置して審議を進めているが、定数は単に人口比だけではなく、選挙区の面積や都市、山間僻地などの特殊性も加えて定めることも認められている。このため、市、郡選挙区ごとの綱引きも始まっているものの、選挙区ごとの利害激突を避けて単純計算ではじき出そうとの声もあるようだ。県人口百三万六千六十一人を県全体定数四十六人(減員しない場合)の議員一人当たり人口は二万二千五百二十三人。各選挙区人数を議員一人当り数(二万二千五百二十三人)で割ると選挙区ごとの新定数(単純計算で小数点以下四捨五入)は次の通りとなる。また、海草郡は紀美野町だけなので、海南市と併合区とする考えも有力で、この場合、海南市選挙区は一人増え四人となる。 ▽和歌山市１７人(三十七万五千七百十八人＝１６・６)は十七人で一人増。だが、市は他選挙区の特殊事情から以前から一減を続けており、現行通りの考えだと十六人。 ▽海南市３人(旧下津町との合併で五万七千七百四十八人＝２・５６)。 ▽海草郡１人(美里町と野上町の合併による紀美野町のみで海南市選挙区と併合区としない場合一万一千六百四十一人＝０・５)。 ▽紀の川市３人(打田町、粉河町、那賀町、桃山町、貴志川町が合併し六万七千八百六十四人＝３・０)。 ▽岩出町２人(五万八百三十八人＝２・２)。 ▽橋本市３人(高野口町と合併し六万八千五百二十五人＝３・０)。 ▽伊都郡１人(高野町、高野口町と、花園村と合併のかつらぎ町二万九千八百十七人＝１・３)。 ▽有田市１人(三万二千百四十三人＝１・４)。 ▽有田郡２人(五万一千四百五十二人、２・２)。 ▽御坊市１人(二万七千五十一人＝１・２)。 ▽日高郡３人(五万七千六百八十二人＝２・５)。 ▽田辺市４人(合併で旧龍神村、中辺路町、大塔村、本宮町を含む八万二千四百八十四人＝３・６)。 ▽西牟婁郡２人(東牟婁郡へ移管の串本町を除く白浜町、日置川町、上富田町、すさみ町計四万三千七百五人＝１・９)。 ▽東牟婁郡２人(旧古座町と合併の串本町と那智勝浦町、太地町、古座川町、北山村計四万五千六百十八人＝２・０)。 ▽新宮市１人(合併で旧熊野川町を含む三万三千七百七十五人＝１・４)。 ［解説］国勢調査は五年に一回行われる。その都度、県議定数改正が行われるが、増減問題は議員の死活問題とあって、選挙区同士の利害が激突する。今回も総定数四十六となったが、議会内でも議員定数減の声もちらほら出始めた。全国都道府県で、議員定数減をしていないのはまれで、近畿六府県では和歌山県だけが減員していない。兵庫県議会は十六人減、大阪府議会八人減、京都府議会四人減、奈良県議会四人減、滋賀県も二人を減員している。平成の大同合併以前からも県内五十市町村議会は、全て大幅な定数減員を実行した。県議会も厳しい行財政改革の中、唯我独尊の状態で、議員減員に背を向けるわけにはいかない。さらに県議会は県民全てに一人当たり年間五百円の「森づくり税」を来年四月から徴収することを議員提案で議決した。唐突な県議会提案の税負担に対して、和歌山市長と同市議会、御坊市議会が全会一致で反対し、県下最大の労働組織「連合和歌山」や県経済団体も反対している。多くの県民世論を無視した税徴収の前に議会自ら「減員節税」に襟を正すべきだ。県民は来年四月の統一地方選・県議選を視野に公正な審判を行使すべく県議会の動向に関心を持ってほしい。 |
