Re: 和歌山県の経済の現況、状況、景気 |
投稿者: 名無しさん 投稿日時: 2010/11/9 7:15:41 土建立県業者が“悲鳴” 不況に低価格化追い打ち 「まるで土建立県だ」。建設業関係者の言葉のように、和歌山県は人口に占める建設業者数の割合が京都、福井、富山、石川に次いで全国で5番目に高い。大型公共工事を単独受注できる建設会社から農業と兼業の個人業者まで様々だが、県の許可建設業社数は5400社に達する。 その背景を、前知事らによる談合事件を受けて設立された県公共調達検討委員会の報告書はこう記す。「歴史的に自然災害が多く、発生が予想される東南海・南海大地震の津波被害への対策も含め、災害時の復旧作業を行う建設業者が各地域に不可欠」 2009年11月11日、県北部を大雨が襲った。和歌山市で時間雨量が観測史上最高となる119ミリを記録。各地の道路が寸断され、同市や海南市など4市で床上浸水656棟、5市1町で床下浸水2449棟の被害が出た。道路や河川、下水道などの復旧工事に投じられた公費は計3億7400万円にのぼる。 50年近く続く土木建設会社の専務は同日朝、仕事先の和歌山市内の解体現場近くで、一人暮らしのお年寄りが家財道具を外に出し、浸水被害の片づけをしているのを目にした。社長は即座に従業員に指示し、畳やタンスを運び出させた。ほかにも、地域住民の粗大ゴミを収集場所に搬出するなど復旧作業をボランティアで手伝い、仕事は丸3日ほど放置したままだった。 専務は「災害時、すぐに救助や復旧活動に動けるのは、重機や資材を持っている地元業者。地元に世話になっている分、それくらいするのは当然。最後に国を救うのは土建屋なんや」と誇らしげに話した。 しかし建設業界にかつてのような活気はない。県や市町村の財政難に加え、無駄な事業に対する県民の厳しい目もあり、公共工事は減り続けている。10年度の県の建設投資費は約1066億円。ピークだった1996年度からほぼ半減した。 地元建設業者は年々減少し、東京商工リサーチ和歌山支店によると、県内建設業の倒産件数は過去3年で138社にのぼり、全業種の31・8%を占める。同支店は「公共事業削減の流れはさらに加速し、建設業の倒産は今後さらに増えるだろう」と予測している。 こうした状況に追い打ちを掛けるのが、公共工事の低価格化だ。談合事件を教訓に県は指名競争入札を廃止し、透明性、公平性を高めるため、一定の条件がそろえば、誰でも参加できる一般競争入札に切り替えた。各業者は数少ない公共工事を獲得しようと、低価格で入札する。 県民にとって使われる税金が少ないことは好ましいが、ある建設業者は「割高だった公共工事も低額入札が当たり前になり、赤字に近いこともある。体力のない会社はいずれつぶれてしまう」と嘆く。 談合事件によってもたらされた入札制度改革と、押し寄せる不況の波に、どう活路を見いだすか、模索は続く。 (2010年11月9日 読売新聞) http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/wakayama/news/20101108-OYT8T01250.htm |